『フランドン農学校の豚 ～注文の多いオマケ付き～』

宮沢賢治の2つの童話『フランドン農学校の豚』と『注文の多い料理店』をもとに創作され「命」について 考える、こどもも大人も楽しめる作品

『フランドン農学校の豚』は宮沢賢治が農学校に勤務していた頃、豚の飼育と屠殺を目撃した体験が基になっていると言われている。
物語は農学校で飼育されている豚が、自分を飼育している生徒たちの会話から自分が一級の価値ある紳士だと思い込むところから始まる。
そんな或る日、この国の王より「家畜撲殺同意調印法」が発令され、家畜であっても直接「死亡承諾書」を得ないと殺してはいけないことになり……。
承諾を得ようとする校長、ただ良い具合に太らせようという教師、無邪気な学生たち…… 豚に命の終わりを語らせることでより生命の尊さと残忍さを描いたこの話と、食物連鎖の切り口で語られることもある『注文の多い料理店』。
二つの命を食べることにまつわる物語を、不条理劇を得意とする岸田國士戯曲賞受賞作家・佃典彦と、演劇ならではの手法を駆使し大胆に物語を読み取る演出・西沢栄治の初タッグ。